おいしいシシャモの食べ方

サラリーマンの雑記

読書感想文

最後の一文が世界一かっこいい 五分後の世界/村上龍

あらすじ 第二次世界大戦で無条件降伏しなかった日本(五分後の世界)に紛れ込んだ中年男性の冒険。 主人公のおっさんは売女を扱ったりヤクザと関わったり所謂レールから外れた人で、人間的な魅力があるような主人公ではありませんが、五分後の世界で命を脅…

よく見ると幽霊はペニスだけで成立していた。 イビサ/村上龍

マジキチ小説「イビサ」 エロとグロのオンパレード、支離滅裂で頭の飛んだ女視点で書かれるカオスな作品、と読む前から聞いてました。人に勧められるものではないと。 期待して読んでみましたが、期待を裏切られませんでした。 しいて言えばグロはそんなにな…

今を積み重ねていきましょう 球形の季節/恩田陸

球形の季節、恩田陸の二作目です。処女作の六番目の小夜子と同様に、学園ミステリー。ワクワクするような風呂敷の広げ方をして、最後にきっちり風呂敷をたたまない(あえて?)という作品が多い中、この作品も例には漏れずふわっと終わりますが、個人的には…

カオスな町と浜辺のアベックを行ったり来たり 海の向こうで戦争が始まる/村上龍

村上龍の二作目、海の向こうで戦争が始まる。かなり薄い本です。しかし読み切るのに一週間以上かかりました。別のことに力を入れていたということもありましたが、隙間時間に手に取るほど興味が続かなかったのが原因です。この作品には、デビュー作である限…

殺人衝動を持つ男と、自殺願望を持つ女が出会ったら ピアッシング/村上龍

村上龍の書く文章が好きです。内容に関わらず読んでいるだけで楽しい。狂気じみた描写は読んでいてドキドキする。先日大門剛明さんの完全無罪を読み終えたときに思ったけど、綺麗にまとまったお話や文章より、ある程度キチガイじみて理解出来ない領域を孕ん…

イケメン兄弟とインラン女が繰り広げる愛のトライアングル よるのふくらみ/窪美澄

僕はアニメであればOPを、映画であれば予告編を、そして小説であれば背面のあらすじを最重要視します。いずれも視聴者・読者を獲得できるかどうかを決める大切なものであり、興味を引くためにその作品の魅力がギュッと凝縮されているはず。そこに魅力がない…

正義なんてどこにもないねん 完全無罪/大門剛明

駅前の本屋にズラッと並んでいたので、何も考えず手に取りました。 あらすじ 若い女性弁護士の千紗が、21年前に女児殺害の罪で捕まり服役中の犯人を、冤罪再審裁判で弁護する。その犯人は、21年前に千紗を誘拐・監禁した別の事件の犯人でもあるとされている…

日本を救ったのは居場所のない純粋な異常者集団 半島を出よ/村上龍

2005年に刊行された村上龍さんの作品。 文庫本で上下巻合わせ1000P、ボリュームたっぷり。 あらすじ 経済が破綻し外交に失敗し落ちぶれた日本に、北朝鮮のコマンドーが侵攻してくる数日間のお話。日本政府、北朝鮮の侵略軍、そして福岡を拠点にする異常者集…

生きている限り、バッドエンドはない。 火花/又吉直樹

俳優やアーティストが出す本は、「実は文章も書けまんねん」感が嫌で、絶対に手に取ることはありませんでした。言っても、水嶋ヒロの油トカゲだか女郎だかって本と、星野源の変態流星群だか黒人中出し20連発だかって本くらいしか思い浮かばないけど。それと…

何があっても生きるしかない キッチン/吉本ばなな

中学生の頃近所の古本屋さんに置いてあった「キッチン」を、なんか聞いたことあるぞと何気なく手にとったのがきっかけでした。大好きな作品なので読み返した回数は片手で数えられない程です(両手であれば余裕で足りるとはいえ)。好きな部分や感じる部分は…

無学な大人が日本国紀(著:百田尚樹)で歴史の勉強をしたら右翼になった話

学生時代、歴史の授業は特に退屈でした。つまらない。時間をかければ誰でも必ず点が取れるような暗記の科目、良い点取ろうだなんてモチベーションも湧かない。そのため、テスト前にする最低限の勉強以外で歴史には触れず、大人になってもろくに知らないまま…

背高泡立草/古川真人 草は刈らねばならない。そこに埋もれているのは、納屋だけではないから。

帯に書かれたキャッチコピーに惹かれ購入。 この本には人の嫌な部分とか、マイナスの感情とか鬱屈とした雰囲気だとか、そういったものが一切出てきません。お喋り大好きで常に笑いの絶えない明るい親戚たちが、ふるーくからある、今は誰も住んでいない大きな…

TUGUMI/吉本ばなな 病弱でエネルギッシュな女の子「つぐみ」との思い出話

ネタバレしません。 幼い頃から先が長くないと医者に言われるほど病弱で、その癖気性が荒く口が悪い、意地悪で常にやりたい放題の美しい女の子つぐみ。そのつぐみの従姉妹であり、幼い頃から仲の良い主人公のまりあ。二人は小さな町で共に時間を過ごすも、や…

青の炎/貴志祐介 「悪いモンスター」のゴリ押しに耐えられず最後まで読めませんでした

勧められて読みましたが、途中で断念、最後まで読むことが出来ませんでした。 理由はひとつです。 悪役?として出てくる悪いモンスターおじさんに、一切の人間味を感じなかったからです。 悪いモンスターが家に来た。悪いモンスターが愛する家族に危害を加え…

木洩れ日に泳ぐ魚/恩田陸 別れる前の最後の夜に男女が「あの日死んだ男」についての記憶を辿る話

ネタバレはしません。 別れる男女が家を引き渡す前夜に腹を割って話し合う話です。 テーマは「どっちがあの男を殺したか」。 章ごとに男女の視点が切り替わりつつ話が進みます。 お互い相手が殺したのだと思っています。 どちらが殺したのか、あの男とは、二…

コインロッカー・ベイビーズ/村上龍 ギチギチに詰まった文体、目だけで痩せました

初めて読みましたが、正直先が知りたいよりも疲れが勝ることが多く、一週間くらいかけてようやく読み終わりました。 もう1回読まないとちゃんとわからないな。っていうのが感想です。 無性に恋空とか読みたい。 改行されまくったやつ。

イン ザ・ミソスープ/村上龍 不気味な外国人フランクと風俗ガイドの若者ケンジのお話

読み始めるのに支障ないくらいのネタバレあります。 怖い話でした。 風俗のガイドみたいな仕事をしてる日本人の若い男ケンジと、その客としてきた朗らかだけど不気味な外国人フランクのお話。 ケンジにとって、最初はみすぼらしいおっさんだな程度の認識だっ…

蜜蜂と遠雷/恩田陸 4人の若いピアニストを中心に描かれるピアノコンクールのお話

「気にはなってるけど読んでない」って人が、「読んで見ようかな」と思うような、絶妙な塩梅のネタバレを含む感想を書けたらと思います。 恩田陸さんの作品です。 夜のピクニックで知ってるという人も多いかしらん。 直木賞、本屋大賞受賞を獲った人気作で、…

錆びた太陽/恩田陸 面白くないので読み切れませんでした。

手にとったのは年末休み。 2、3回序盤で読むのをやめてしまいましたが、4回目に序盤を突破。 半分くらい読み終わったころ、だいたいもう先が読みたくて仕方ない頃合いですが、全然そんな気にもならず。 しかしここまで頑張って読んだのだからと意地になって…

ネバーランド/恩田陸 心に傷を持った若者四人の青春物語

ネタバレあまりないです。 これからは読書感想文を書く時、内容に少し触れつつも核心に迫りすぎることもなく、気になるから読んでみようかなという範囲での、上手なネタバレを目標とします。 読んだのは年末年始休暇で、かれこれ200回目くらいの読了です。 …

朝が来る/辻村深月 特別養子縁組で繋がった家族、離れた家族のお話

ネタバレはほとんどないです。 子供の出来ない夫婦が特別養子縁組という形で子を授かり6年、幸せに暮す3人家族の元、ある日突然かかってきた「子供を返してほしい」という生みの親からの電話。 ってあらすじ紹介を見て、あぁ、血縁とはとか、本当の家族とは…

限りなく透明に近いブルー/村上龍 薬物中毒者の若者たちの生活を描き続けるだけのお話

ネタバレも含みます。 ただ、バレて困るものはないと思います。 1976年の小説です。 村上龍の処女作で、芥川賞とかとってて。 タイトルがかっこいいことでも有名ですよね。 僕は初めて読みました。 この小説はどういう話なんだ、って思いながら読むページ数…

殺戮にいたる病/我孫子武丸 叙述トリックが美しいサイコパスサスペンス

ネタバレはしません。 読む前から、叙述トリックによりヒョエエとなるラストが有名ということは知っていました。 理想はそんな事も知らず手に取り、純粋に度肝を抜かれることでしたが、知ってしまっているものは仕方ないので、騙されないぞというアンテナを立て…