おいしいシシャモの食べ方

サラリーマンの雑記

限りなく透明に近いブルー/村上龍 薬物中毒者の若者たちの生活を描き続けるだけのお話

 

ネタバレも含みます。

ただ、バレて困るものはないと思います。

 

1976年の小説です。

村上龍の処女作で、芥川賞とかとってて。

タイトルがかっこいいことでも有名ですよね。

僕は初めて読みました。

 

この小説はどういう話なんだ、って思いながら読むページ数が長かったです。

若者の話だ、男女がいる、あぁこの人達クスリやってるんだ、登場人物どんどん増えたな、全員クスリやってるんだ、乱交乱交でまた乱交?、あぁこんな生活の中で付き合ってるとかあるんだ、って感じで、主人公のリュウの視点でずっとジャンキーな若者の日常が流れてく。

 

一回しか読んでないから、もう一度読んだら感想変わるのかもしれないけど、ストーリーなんてあってないようなものだと思いました。

というか、ないと思いました。

ただ文章がめちゃくちゃに魅力的でした。

非日常的でめちゃくちゃな光景を、騒がしく感じるくらい描写されてる気がします。

ただ細かく何から何まで書いてるとかじゃなく、むしろ逆に断片的で、そのパタパタ変わる視点や周りの状況が、普段の自分が何も考えず日常を過ごす中での脳内にすごく近い気がして、ただその描写の仕方は、何でもないことなのに神秘的に感じるような書き方だったり。とにかく読んでて少しも飽きなかったです。

 

途中、

「虹のような色の油がどこからか流れてきて僕達のからだで左右に別れた。」

って一文があるんだけど、これがなんか強く残りました。

前段とか無いと全く意味不明だと思うけど、頭にめっちゃ浮かぶねん。めっちゃ。

 

あとは途中仲間の一人が主人公にフルートを吹けと長々と語りかけるところが、なんとなくジーンときたし悲しいというか虚しく感じました。「昔誕生日祝でお前に一度吹いてもらったとき感じたことのない嬉しい気持ちを感じた、あのときの気持ちを思い出すと、俺とヘロインの間に何かがあってもいい気がする。ヘロインを注射器に入れるたびに思い出す」みたいなことを語りかけて、「ヘロインさばいて金入ったらいいの買ってやるよ」って終わるんだよね。えぇ~そんな金で?っていうね。でもふざけてないねんな。

終わってるのに、そんな気持ちも残ってることが悲しい。

 

具体的にこうってシーンはあとは思い出せないです。

薄いからじゃなくて全体的に濃いから。

 

近いうちまた読もうと思った。

今夜にでも。