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サラリーマンの雑記

朝が来る/辻村深月 特別養子縁組で繋がった家族、離れた家族のお話

ネタバレはほとんどないです。

 

子供の出来ない夫婦が特別養子縁組という形で子を授かり6年、幸せに暮す3人家族の元、ある日突然かかってきた「子供を返してほしい」という生みの親からの電話。

ってあらすじ紹介を見て、あぁ、血縁とはとか、本当の家族とはとか、引き取られるのか取られないのかってやり取りの中で、その家族にフォーカスが当てられる話なんだと思っていましたが、見当違いでした。

話のメインは、中学生にして子供を産み特別養子縁組制度に頼り誰かに子供を育ててもらう選択をした(させられた)女の子が、その6年後に何故「子供を返してほしい」という電話をかけるに至ったのか、というもの。

例えばそれが子供を忘れられない日々を過ごす中でついに意を決し、育ての親の気持ちすら度外視する程大きくなった気持ちに従い子供とやり直したいという行動を起こした、とかそういうプラスの気持ち(育ての親側にとっては悲劇すぎるけど)ならいいのですが、実際はとにかく悲惨なものでした。

ただその悲惨具合も、現実にこんなんあるかいなって笑うほどのものではなく、小さな不和が日に日に膨らみ真綿で締め付けられるように、徐々に何もかもがうまく回らなくなる様が逆にリアルで、純粋に心痛めながら読むことが出来ました。

最後の20Pくらいは、これどっちで終わるのかなとドキドキしました。

以上。

 

ちなみにこの本は職場の課長から貰い、読みました。

その人は40過ぎ、奥さんも年上、で子供はいない。

きっと書店で買って読むよりも複雑な気持ちで読めました。