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サラリーマンの雑記

ちはやふる二次創作「二枚の札」【短編小説 R18】

「ちはや?」

新は、無邪気に笑った。

ちはやは新の顔を見ることが出来ず、俯きながら呟いた。

「新・・・どうして」

二人きりの部室。

重い静寂を、夕刻を告げるチャイムが裂く。

 

ちはやの陰毛を全ての歯間にビッシリ詰めこんだ新がちはやの目の前に現れたのは、今からちょうど2時間前。

「どうしたの?忘れ物?」

新に声をかけたちはやは、新の顔を見た瞬間、おしっこを漏らした。

目の前に立つ新の、その歯間にビッシリ詰まった陰毛。

それが全て自分のものであることを認めた瞬間、心臓が跳ねるのを感じる。

「ちはや」

いつも通りの優しい声。新は真っ青になったちはやの顔を覗き込む。

「どうした?陰毛が盗まれたような顔してるばい」

そう言って新は、再び、全ての歯間にビッシリとちはやの陰毛を詰め込んだ歯をむき出し、無邪気に笑った。

 

「どうして・・・」

ちはやは探る。

ない。

ない。ない。ない、ない、ない、ない!!!

ちはやは自身の恥骨を探る。

そこにはなにもない。

今朝までビッシリ生え揃っていた陰毛、それら全てが綺麗に無くなっていた。

「どうして・・・!!」

ちはやは新を睨む。

新は不思議そうな顔でちはやの目を真っ直ぐ見返す。

「ちはや?」

 

ちはやはその場に倒れる。

 

意識が遠のくのを感じる。

心臓が跳ねる。身体から出ていこうともがくように。

大好きな友達の新。優しい新。

どうして?何もわからない。

「ちはや・・・ごめんな」

耳元で聞こえる優しい声。

新?何してるの?

ちはやは頭部に鋭い痛みを感じる。

「頭の毛も、カルタにはいらんばいね?」

新は喰らう。

ちはやは、ただその音を聞いていた。

 

どこで間違えたのだろう。

伝う涙は、沈む夕日と共に畳の中へ染み込んでいく。

 

カチャ・・・カチャ・・・

ベルトを外す音。

「ちはや・・・すまん、ついでにやるばい」

 

 

千早ぶる神代もきかず龍田川 からくれなゐに水くくるとは

 

 

 

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