おいしいシシャモの食べ方

サラリーマンの雑記

背高泡立草/古川真人 草は刈らねばならない。そこに埋もれているのは、納屋だけではないから。

帯に書かれたキャッチコピーに惹かれ購入。

 

この本には人の嫌な部分とか、マイナスの感情とか鬱屈とした雰囲気だとか、そういったものが一切出てきません。お喋り大好きで常に笑いの絶えない明るい親戚たちが、ふるーくからある、今は誰も住んでいない大きな実家の納屋の草刈りをする話という、ただそれだけの話です。物語に山はありません。ただ、草刈りに向かうため親戚たちが集まる描写から、草刈りを終え親戚たちが帰路につく描写までに、4つ、関係のない昔の話が挿入されています。章が変わりに突然別の話が始まるので(時間軸は違うんだなということはわかる)戸惑うものの、読んでいるうちに、あぁどの話も共通して今草刈りしている家やその島という「その場所」が関わる話なんだなとわかります。ある家族が戦時中に満州に渡る話や、帰国民が海難する話や、捕鯨の話や、父親とうまくいっていない中学生の話。どれも突然始まり突然終わります。短編小説が差し込まれているみたいに。

 

その場所にまつわる、それぞれの時代を生きた人たちの話。そして今を生きる人達が、その場所の草刈りをしている描写。時系列の違う話が繋がりもなくぱらぱらと散りばめられることで、いろいろな人がその場所に生きて死んでいったという当たり前のことを強く感じました。

 

すごく面白かったけど、何がどう面白かったというわけでもなく、全体的に雰囲気が良かったという感じです。単純に内容が退屈だと感じる人と、二極化すると思いますが。

 

疲れている人におすすめです。

 

 

 

ちょっとしたことだけど、

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この表紙シンプルな表紙の下が

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こうなってるの、なんかいいなって思いました。

 

 

 

 

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